2021年 新年号
2021年という新しい年が明けましたが、昨年は年初から新型コロナに始まり、そのコロナ
で終わりました。このウイルスは昨年1月に武漢で発生した後、瞬く間に全世界に拡散し、いま
だ収束の兆しは見えないまま、現在まで推移しております。特効薬なり有効なワクチンが開発さ
れ、数十億人の人々が全員接種できるようになる日が必ず到来することを信じています。
又、東京オリンピックもこのコロナの影響で一年延期をされましたが、スポーツは人心を明る
く、前向きな気持ちにしてくれますし、世界の人々がお互い一つの輪になり、その絆が深まると
いう良い面もあります。今年こそはいろいろな制約はあっても、必ず開催されますことを確信し
ております。
さて、今回の「所長だより」は経営を取り上げさせていただいております。
一般的に、事業とは「市場活動」であります。市場にはお客様と同業ライバルが存在していま
す。その同業ライバルと競い合い、お客様を確保するのが事業なのであります。市場の変化は目
まぐるしく、お客様の要求は絶えず変化していきます。
このことから、自社の商品やサービスなどが変転する市場やお客様の要求に合わなくなれば、
自社は切り捨てられてしまいます。それゆえ、市場と要求を見極め、これらに合わせて自社を作
り変えることが重要となってまいります。
ところで、自社の収益、すなわち、売上高は市場にいるお客様から得られます。その売上高は
「単価×数量」により計算できます。従って、売上高を増やそうと思えば、単価を上げるか、数
量を増やすしか方法がありません。単価の方ですが、現在のように、長期的なデフレ下の状況に
おいてはその商品やサービスの品質が相当程度に高いか、あるいは性能、デザイン、機能、納
期、サービスなどの売り物を徹底的に磨き、同業ライバルと比較しても大きく差別化できなけれ
ば、そのアップは不可能であります。そうなってきますと、残る選択肢は数量を増やすこと、す
なわち、増客を図ることであります。
それでは、この増客を図るには概して、下記に掲げるように、12の方法があります。
①地域の拡大と拠点の展開、②事業の多角化と相乗効果の大きい総合化(一つの場所で数種の
事業を行うこと)、③販売ネットの拡充と新設・整備、④5つの販売方法の複合化(・訪問販売
・店頭販売 ・通信やインターネットなどの媒体販売 ・配置販売 ・展示催事販売)、⑤広告
宣伝の展開、⑥イベントと販売促進、⑦新事業へのチャレンジと展開、⑧新商品の開発、⑨固有
技術の新分野への応用、⑩お客様の絞り込みと新対象、⑪新設備の導入と新施設の開店、⑫経営
理念(会社として本来どうあるべきかという根本の考え)の明確化と浸透であります。
特に強調していえるのは、環境の変化や不況の中にあっても、上手に経営をしていくためには
絶えず増客を図ることであります。短期では「前月」より、長期では「前年」よりも増客を図って
いる会社で業績の悪いところはありません。逆に、業績の悪い会社は、必ずお客様の数を減らし
ています。攻撃こそ最大の防御であります。
これらのことを念頭にして、この一年間、頑張っていきましょう。