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所長だより

  


2021年 秋号




 早いもので、この「所長だより」も、5号目となりました。そこで今回は、「経営に関するテーマ」を次回以降に譲りまして、「資産投資」というものに焦点を合わせてみたいと思います。

 一般的に、資産投資には、まず不動産があげられます。以下預金、株式、金・銀やプラチナなどの貴金属、債券、暗号資産などがあります。これらの中でいずれのものに投資するかはそれぞれ投資をする側のその目的と判断にまかされています。不動産は元来、値上がりによる利益を目的として購入するものではないし、その金額自体が大きく、希望する場所も限定されており、利用目的においても、当初から決められて購入することが通常であることから、長期保有が原則であります。それ以外のものは短期あるいは長期保有にするかは投資家自身の考え方によるのではないかといえます。

 例えば、株式等の投資を例に挙げますと、この投資に似通った言葉に投機というものがあります。投資は会社の価値やその会社が将来生み出すことができる利益などに長期的な視野で資金を投じることをいいます。投機とは短期的な値上がりのタイミングを狙って資金を投じることをいい、投資先の会社の成長や、その資産自体の価値が増えることを望むというよりは、その時の利ざやを目的としています。この投機的な取引で大きな財産を築かれた人もいることは事実であります。しかしながら、短期的に得られる利幅は大きくないことが多いので、その分レバレッジをしたり、回数をたくさん積み重ねなければならないこともあって、より大きなリスクがあるということは頭に入れておかなければなりません。そして、この投機的取引では、誰かの利益が誰かの損失となることから「ゼロサムゲーム」といわれていますので、ギャンブルに近いものといえます。

 そのように考えますと、投機というものはやってはいけない禁じ手であります。

 ところで昔から、投資の3分割法といいまして、資産を不動産と株式等をはじめとする金融資産・貴金属と、現預金に分散して保有する方法であります。現在もこの方法を利用している人は多いのではないかと思います。

 それでは、会社の社長が行う投資には、純然たる個人での投資であるのか、会社の資産を含めたところの投資かでありますが、やはり個人は個人、会社は会社というように別個に切り離して考えないといけません。仮に、個人で行う場合には、前述の3分割法がベターでしょう。もっと突き詰めていえば、日々の上げ下げが気にかかる性格・スタンスの人は株式等の金融資産や貴金属への投資はしないほうがよろしいかといえます。社長としての業務に専心できないことになってしまいます。

 また、会社というのは、基本的には経営資源である人、物、金及び情報を本業に投下して一定の収益と利益を獲得するのがその基本であります。もちろん、会社によっては、一時的には財テクにより本業以上の利益を計上しているところも見受けられますが、究極的には、大損をしている結果がもたらされているようであります。したがって、財テクは避けたほうがベターではないかと考えます。

 以上、これらのことが、今私が言える「資産投資」に対する基本的な考え方であります 。