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所長だより

  


2022年 秋号



 今年の夏も昨年以上に毎日厳しい暑さの連続でありましたが、関与先の皆様方には健康面において夏の疲労を残されていないでしようか。10月に入り日々しのぎやすくなり、食欲をそそる季節がやってきました。

ところで、コロナでありますが、もう間もなく3年が経過しようとしています。現在第7波が到来していますが、そのピークは過ぎ去り、日々の感染者数も減少しており、重篤患者数も落ち着いた傾向にあります。また、このコロナの症状でありますが、無症状の方も見受けられ、仮に症状が出ても軽症の患者が多く、近いうちには、収束の方向にむかうのではないかと希望を持っています。

今回の所長だよりは去る8月に90歳で他界されました故「稲森和夫氏」のことを取り上げさせていただきます。同氏は鹿児島県出身で、1955年に鹿児島大学工学部を卒業。京都の松風工業という碍子の製造会社を退職後、1959年に27歳の若さで京都セラミック(現京セラ)を創業されました。そして、一代で売上高1兆円超、グループ従業員83,000人の世界的メーカーに育て上げられました。

また、電気通信事業が自由化されると、第二電電企画(現KDDI)を1984年に立上げ、情報通信分野へ参入され、携帯電話の事業化にも力を注がれました。さらに、2010年には政府の強い要請で、経営危機に陥った日本航空の会長に就任、無給で再建の主導を担われ、2年で再上場をし、見事に目的を果たされました。

このことにとどまらず、同氏は後進の育成や社会貢献にも熱心に取り組まれ、中小企業の若手経営者らに人生や経営の哲学を教える『盛和塾』は、国内だけでなく米国や中国など海外にも広まっています。また、200億円相当の私財をもとに財団をつくられ、「京都賞」を創設、世界的業績を上げた研究者や芸術家を表彰されてあります。

このような功績を思い起こしますと、ほかに例を見ない偉大な実業家であり、「経営の神様」と呼ばれた故松下幸之助氏の後に続く第二の「経営の神様」と呼ばれるにふさわしい人物ではないかと思います。

この両氏は、日本人初のヨガ直伝者であり、政財界を始め数多くの人たちの支持を受け、各方面に多大な影響を与えた哲人「中村天風師」の師事を受けられています。これらの三氏に共通するのが若かりし頃、不治の病といわれた肺病(肺結核)を患われており、生死の境をさまよわれましたが、病そのものに負けることなく克服され究極的には世の中の人々が実現できない大事業をなし遂げられて、いずれもが90歳以上まで永らえられ、天寿を全うされています。

天風師によれば、人間は、誰しもこの世に「おぎゃー」と生まれた瞬間に、それぞれが運命すなわち天命や宿命を背負うものであるといわれています。まず、天命でありますが、これは絶対的な運命で、人間の力ではどうすることもできないものであります。たとえば、男女の性別や生まれる時代や生があり、死があるということ等であります。つぎに宿命は相対的な運命で、人間の力で打ち開いていくことができるものであります。そのためには、「心を積極的にして、常に前向きに生きるよう自分の心を導いていくことであります。そして、感謝と喜びの心を持って生活をしていくことが大事である」といわれています。「経営の神様」といわれるこの両氏もこれらのことを実践してご自分の人生を切り開いてこられたものと思います。私共凡人にとっては、「言うは易く、行うは難し」でありますが、これらを体得するまで継続して実行していきましょう。