2023年 春号
今年も4月に入り、日を追うごとに気温が上昇し、過ごしやすい春の季節がやってきました。コロナのほうも感染者数は最近、減少の一途をたどり、いよいよ収束の方向に向かっているのではないかと考えています。
ところで、今回の所長だよりは「社長と飲酒」を取り上げさせていただいています。
一般的に、酒にまつわることわざには「酒は百薬の長」とか「酒三杯は身の薬」、「酒は気違い水」とか「酒は諸悪の基」といったように、良いたとえも悪いたとえも同程度にあります。これは、酒というものは適度に飲めば体に良いが、飲みすぎると良くないということであります。この場合の「適度」とは言葉の意味が個人の体力や体質によって違ってくることから、実際のところ、ケースバイケースで判断せざるを得ません。
飲む口を持っている人達に「あなたはこれまで飲みすぎて二日酔いをしたことはありませんか?」と質問すると、大部分の人たちがイエスと答えられます。この二日酔いの原因は明確には解明されていない面もありますが、一説には、アルコールは体内に入ると血液に吸収されます。その後、肝臓に送られて分解されていきますが、その過程で生産されるアセトアルデヒドと呼ばれる有害物質が過剰に蓄積することで生じるといわれています。また、アルコールは胃や腸の粘膜にダメージを与えることから、過度なアルコール摂取は特に強いダメージを与えるため、二日酔いで生じやすい吐き気や胸やけなどの原因になるともいわれています。このようなことを考えると、下戸のほうがいらぬ心配をする必要がないのかもしれません。
一般的に、女性が男性よりも平均寿命が長いことは、女性の飲酒に対する割合が男性に比較して低いことの表れではないかといえます。また、過度に酒を飲んでの失敗が数多くあるというお話もお聞きします。たとえば、友人・知人に対して酒の勢いを借りて口論になって、仲違いをしたり、大言壮語をしてみたり、へべれけになり他人に迷惑をかけたり、二日酔いで会社を休んだり、といったようなことであります。
酒というのは、限度を越すと何も良いことはありません。究極的には大病に見舞われることも大いにあります。したがって、適度なり、頃合いなりというものをしっかりと認識して飲むということを肝に銘じておくべきでしょう。
社長というトップのポストにある人は、一般の人に比較して飲む機会が多くありますので、宴席の場においては、特に限度を考えて飲むことが大事かと思われます。飲酒が原因で事業に思わぬ支障をもたらす場合もありますし、事と次第によっては、会社自体の信用問題にもかかわり、その屋台骨まで揺らすことになりかねません。本当に気を付けないといけません。
一方、下戸の人は宴席の場が苦手だといわれる方が多いようですが、公式の場であろうとなかろうと、誘いがあれば出ないわけにはいかないことから、その時にははっきりと下戸であることを相手に伝え、その相手がほろ酔い気分で、いい気持ちにある状態ということを考慮した上で、接遇しなければなりません。さらに、相手が泥酔状態であるときはともかく、いくら飲んでいようと、会話の中で、非難めいたことや気に障るようなことは意外と記憶に残るものであります。したがって、宴席の場においては特に気を付けて会話をするということが重要ではないかと思います。
以上、とりとめのないお話をさせていただきましたが、今回はこれで筆をおかせていただきます。