福岡県飯塚市にある税理士事務所です。

税務申告から経営相談・相続対策等、関与先の発展のため真摯に対応いたします。

 

MIRAI総合会計
税理士法人は
TKC全国会会員です
TKC全国会
TKC全国会は、租税正義の実現をめざし関与先企業の永続的繁栄に奉仕するわが国最大級の職業会計人集団です。

九州北部税理士会所属

お気軽にお問合せください。
MIRAI総合会計税理士法人       飯塚事務所          (旧 柴田務税理士事務所)

TEL:0948-24-7711

飯塚事務所 所長だより

  


2024年 夏


 今年も早いもので上半期が終わり、7月の厳しい夏の暑さがやってきました。皆様方におかれましては、元気でお過ごしでしょうか。人がいつまでも健康を保つためには、特に「腸内環境を整える」ことが大事だといわれています。そこで、私も今年の1月より「ヤクルト1000」を毎日愛飲しています。そのお陰もありましてか、最近では大した疲れもなく、睡眠が良く取れており、今のところ健康を維持しています。

さて、今回は私自身が、経営コンサルタントとして大変信奉しております「故一倉定先生」のことを取り上げさせていただいています。先生は1999年3月に他界されましたが、それまでは「事業経営の成否は、社長次第で決まる」という信念から社長だけを対象に指導されてきた会社は大中小5,000社を超え、あらゆる業種業態に精通され、文字通りわが国における社長専門の経営コンサルタントの第一人者であります。また、空理空論を嫌い、徹底してお客様第一主義と経営現場主義を標榜され、社長の悩みを共にし、親身になって業績向上策を練り、多くの高収益会社を育ててこられました。

先生は、数多くの社長を実践で指導される一方において、沢山の著書も残されています。そして、今回より、それらの中でも経営の基本書ともいうべき、「社長の姿勢」というタイトルの本の中でのエキス部分について複数回にわたりご紹介させていただきます。

まずは、「社長とは一体何をする人でしょうか?」という問いがあります。その答えとして一言でいえば、社長とは「経営に関する色々な危険を伴う重要な意思決定をする人である」と定義づけられます。そして、(1)事業の関心と行動の焦点を未来に合わせ、(2)市場とお客様の要求(ニーズ)の変化に対応して絶えず我社の革新を行い、(3)ひいては高収益型事業を創り出すことこそ、その役割だといわれています。

外部情勢というものは絶えず、しかも急速に変化をしていきます。その外部情勢の変化を正しく捉え、それが我社の経営にどのような影響を与えるかを考え、その変化に対応して我社をどう変えていかねばならないかを決めなければなりません。その対応には数年かかることもあります。ここに未来志向があり、外部指向があります。数年後の我社の姿を想定し、これに向かって我社を作り変えていかないことには、成長が止まってしまい、その存続も危うくなってまいります。

ここで、「決定権」というものについて考えてみましょう。「決定権」は、結果に対して全責任を負う者にしか与えてはならない権利であります。「社長の責任において決定をする」

ということは「結果に対する責任は社長が負う」という意味です。このことに関して、ある程度役職者への権限の委譲が行われている会社は別として、概して、社員の責任は、「実施責任」であって、「結果に対する責任」ではありません。方針や指令を忠実に行う実施責任ゆえに、もしもこれらを実施しなければ「不実施責任」を負うことになります。方針や指令を忠実に実行していれば、結果がどうであれ、その責任を問われることはありません。これは、方針や指令が誤っているから結果が悪いのであります。以上が責任というものに対する正しい考えであります。

ところで、社員数が100人以下の中小の会社があるとします。年商10億円ぐらいの規模の会社は大体社長一人の手腕でうまくいくものであり、30億円ぐらいになれば、社長を中心に優秀な幹部が必要であり、その幹部と一緒に事業経営を行っていくことになります。さらに50億円から100億円ぐらいの間になると大半は社長と役員と部長以上が会議を開いて物事を決めるところが多いようであります。これらの場合に、権限を与えられた役職者においては当然に権限の範囲内での責任というものは負わなければなりません。

一般的にいう民主経営とは、社員に一定の権限を委譲し物事を決めていくということでありますが、中小の会社において、基本的に重要な事項についてはすべて、社長がトップダウンにより決定した方がその意思が社員にスムーズに伝わり、事業活動がうまく進んでいくのではないかと思います。すなわち、このような進め方をワンマン経営と呼びますが、ここでいうワンマン経営とは、現に数十年も国を支配している専制主義国家の為政者のように、完全な独裁ではなく、経営においては「独裁すれど独断せず」がその基本的態度であり、この言葉の意味するところは「重要な事項について決定するまでは、いろいろな関係者の意見に耳を傾けながら、それらを取捨選択し、最終的には本人自身が決め、一旦決めたからにはどのような反対があっても断行する」という考え方であります。

それでは正しいワンマン経営とは具体的に何を意味するのでしょうか。それはまず、「(1)社長は、自らの経営理念に基づく我社の「未来像(ビジョン)」を持ち、(2)その未来像を実現するための目標と方針を、自らの意思と責任において決定し、これを「経営計画書」に明文化する、(3)経営計画を社員によくよく説明して協力を求める、(4)経営計画の最も重要な施策は自ら取組み、他は任せる」いうことであります。中小の会社においてはこのような経営のやり方が理想ではないかと一倉先生は考えてありますが、私もその通りであると思います。

なお、上記の経営理念や未来像、経営計画等についてのご説明は、次回に譲りたいと思います。

以上、今回はこれで筆を置かせていただきます。